【弁護士さんに質問】勝手に送られてきた使い捨てマスク50枚と請求書。無視していいの?
日々の暮らしの中でふと疑問に思ったこと、分からないことを立川周辺の身近な専門家に質問してみるコーナー【プロに質問】。
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そして今回は【弁護士さんに質問】、ということで立川駅南口から徒歩5分『オレンジライン法律事務所』の竹村弁護士に聞いてみました。
今回は新型コロナウイルスに乗っかった詐欺商法についてです。
目次
ある日、自宅にマスク50枚と振込用紙が送られてきました。放置してよい?
ヒゲ@いーたち
(実話に基づくフィクションです)
ある日、自宅にマスク50枚が送られてきました。
「マスク、なかなか売ってないから困ってたんだよね、助かったー」と思いましたが、どうしてマスクが届いたのか、心当たりがありません。マスクが入っていた箱のなかを見ると、「マスクが不要な場合は1週間以内にご返送ください。返送がない場合は購入したものをみなします」と書かれた手紙と金額が50,000円と記載された振込用紙が入っていました。
さすがにこれは怪しいな〜と思い、使わずに放置していたのですが、マスク到着から20日後にマスクを送付したと名乗る業者から電話があり、「1週間以内に返送しなかったのだから、50,000円を払ってください」と言われました。
この場合、マスク代金50,000円を払わなければならないのでしょうか?
ある日、自宅にマスク50枚が送られてきました。
「マスク、なかなか売ってないから困ってたんだよね、助かったー」と思いましたが、どうしてマスクが届いたのか、心当たりがありません。マスクが入っていた箱のなかを見ると、「マスクが不要な場合は1週間以内にご返送ください。返送がない場合は購入したものをみなします」と書かれた手紙と金額が50,000円と記載された振込用紙が入っていました。
さすがにこれは怪しいな〜と思い、使わずに放置していたのですが、マスク到着から20日後にマスクを送付したと名乗る業者から電話があり、「1週間以内に返送しなかったのだから、50,000円を払ってください」と言われました。
この場合、マスク代金50,000円を払わなければならないのでしょうか?
竹村弁護士
1枚1,000円でもマスクが欲しいなら問題にはなりません。
しかし、さすがに1000円ならいらないよ!という場合、困りますよね。
しかし、さすがに1000円ならいらないよ!という場合、困りますよね。
ヒゲ@いーたち
そうですね〜。運よく売場に在庫があれば50枚1,000円くらいで買えますし要らないです……。
竹村弁護士
このような商法は、送りつけ商法(ネガティブオプション)という商法で、対応を間違えると面倒なことになるので、ここで注意喚起したいと思います。
ヒゲ@いーたち
そうなんですか!?
当然放っておけばいいのかと思ってました。
当然放っておけばいいのかと思ってました。
竹村弁護士
意外と複雑なんですよ。
ヒゲ@いーたち
ふむ。例えば、返送しないと自動的に買ったことになるとか?
竹村弁護士
結論としては、返送しなくても、買ったことにはなりません。
売買契約は、申込の意思表示と承諾の意思表示が合致することによって成立しますが、商品を送りつける行為は売買の申込の意思表示に過ぎず、これに対応する承諾の意思表示がなければ、売買契約は成立しません。
この点、「返送をしなければ、購入したものとみなす」という送り主からの手紙が問題となりますが、これは送り主が勝手につけた条件であり、これに拘束される理由はありません。
したがって、返送しなくても、承諾の意思表示がないので、買ったことにはなりません。
売買契約は、申込の意思表示と承諾の意思表示が合致することによって成立しますが、商品を送りつける行為は売買の申込の意思表示に過ぎず、これに対応する承諾の意思表示がなければ、売買契約は成立しません。
この点、「返送をしなければ、購入したものとみなす」という送り主からの手紙が問題となりますが、これは送り主が勝手につけた条件であり、これに拘束される理由はありません。
したがって、返送しなくても、承諾の意思表示がないので、買ったことにはなりません。
ヒゲ@いーたち
なるほど!
ということは、使ったり廃棄しちゃってもいいんでしょうか?
ということは、使ったり廃棄しちゃってもいいんでしょうか?
竹村弁護士
ここが一番要注意なポイントです!
注意しなければならないのは、返送しなくてもいいと、それを使っていいということは、同じではないということです。
売買契約が成立すると、目的物の所有権は売主から買主に移転します。その結果、買主はその目的物を自由に使ったり廃棄したりすることができるようになります。
逆にいうと、その物を自由に使うことができるのは、その物を購入したからなのです。
商品を送りつける行為は、売買の申込の意思表示であると考えられます。その商品を使ったり廃棄したりすることは、所有者でなければできないことですから、その申込を承諾したと理解せざるをえません。
したがって、使ってしまうと、売買契約が成立し、代金を支払わなければならなくなってしまうのです。この点は、特に注意しなければなりません。
注意しなければならないのは、返送しなくてもいいと、それを使っていいということは、同じではないということです。
売買契約が成立すると、目的物の所有権は売主から買主に移転します。その結果、買主はその目的物を自由に使ったり廃棄したりすることができるようになります。
逆にいうと、その物を自由に使うことができるのは、その物を購入したからなのです。
商品を送りつける行為は、売買の申込の意思表示であると考えられます。その商品を使ったり廃棄したりすることは、所有者でなければできないことですから、その申込を承諾したと理解せざるをえません。
したがって、使ってしまうと、売買契約が成立し、代金を支払わなければならなくなってしまうのです。この点は、特に注意しなければなりません。
ヒゲ@いーたち
使ったら買う意志を示したってことになるんですね……。
でも使わないとしたら返送するか保管し続けないといけないんですか?
勝手に送られたのに損した気分になります……。
でも使わないとしたら返送するか保管し続けないといけないんですか?
勝手に送られたのに損した気分になります……。
竹村弁護士
それは商品を送られた人にとって負担であるということで、特定商取引法という法律に規定があります。
その規定は、設例のような商品の送付があった場合、商品が送られた日から14日以内(相手に引き取りを請求した場合は、請求した日から7日以内)に相手が商品を引き取らない場合は、相手は商品の返還を請求できなくなるというものです(同法59条1項)。
つまり、送付された日から14日(引き取りを請求した場合は請求した日から7日)が経過すれば、相手が返還請求できなくなる反射的な効果として、商品を自由に処分することができるようになるのです。
なお、事業者に対して、その事業のために使用する商品が一方的に送付されてきた場合は、同法59条1項の適用はないことは注意が必要です(同法59条2項)。
その規定は、設例のような商品の送付があった場合、商品が送られた日から14日以内(相手に引き取りを請求した場合は、請求した日から7日以内)に相手が商品を引き取らない場合は、相手は商品の返還を請求できなくなるというものです(同法59条1項)。
つまり、送付された日から14日(引き取りを請求した場合は請求した日から7日)が経過すれば、相手が返還請求できなくなる反射的な効果として、商品を自由に処分することができるようになるのです。
なお、事業者に対して、その事業のために使用する商品が一方的に送付されてきた場合は、同法59条1項の適用はないことは注意が必要です(同法59条2項)。
ヒゲ@いーたち
なるほど。
そうなると14日経過後の処分の仕方が気になってきますが、知り合いに売ったりしてもいいんでしょうか?
そうなると14日経過後の処分の仕方が気になってきますが、知り合いに売ったりしてもいいんでしょうか?
竹村弁護士
「処分」については、煮るなり焼くなり好きにしてよいということになります。
ヒゲ@いーたち
そういうことなんですね!
竹村弁護士
まとめますと、上記のようなことが生じた場合でも、購入するつもりがないのであれば、商品を受け取ってから14日が経過するまでは手をつけずに保管し、その後、処分すべきということになります。
コロナ禍に乗じた悪徳商法がいろいろと登場しています。
これを読んだみなさんが、不当な送りつけ商法に巻き込まれなくなれば幸いです。
コロナ禍に乗じた悪徳商法がいろいろと登場しています。
これを読んだみなさんが、不当な送りつけ商法に巻き込まれなくなれば幸いです。
竹村弁護士
何かに困った時は、躊躇せずに気軽に弁護士に相談してください。
これってトラブルかな?トラブルになるのかな?と思ったような段階でも、早めに相談いただいた方が色々なアドバイスができます。
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