3機編隊で立川の空を飛ぶとな!?2015年から始まった「赤とんぼ復元プロジェクト」がだいぶ進んでて2年後くらいに立川の空を飛べそう
2015年から始まった「赤とんぼ復元プロジェクト」がだいぶ進んでいます。
「赤とんぼ」とは立飛ホールディングスの前身「立川飛行機」が開発製造した旧陸軍の練習機「九五式一型練習機乙型」の通称です。
これが「九五式一型練習機乙型(通称:赤とんぼ)」↓(これは模型)
みんな見慣れた零戦と比べると5年古い機体なのでレトロ感あります。
約2,600機製造され、多くのパイロットを育てた傑作機です。
そんな立飛の象徴ともいえるこの「赤とんぼ」を設計図もなにも無い状態から復元して、
復元だけじゃなく飛ばしちゃおう!
というのがこのプロジェクト。
スゴいですねぇ。
復元プロジェクトのことは何となく知っていたのですが、飛ばしちゃうってところは知りませんでした……!
今回、プレス向けにチラ見せイベントがありましたので見に行ってきました。
こちら↓
復元を担当しているのはこちらの方↓有限会社オリンポスの四戸哲氏。
数年前に風の谷のナウシカで出てくる飛行機「メーヴェ」が空を飛んだニュースを見た方、多いと思います。
その「メーヴェ」の製造を担当したのもこの四戸氏です。
「赤とんぼ」をリアルに復元し飛べる状態にまで持って行ける人物は世界にこの人しかいない!ということで白羽の矢が立ったそうです。
そして2015年に「赤とんぼ復元プロジェクト」がスタート。
現在の状態がこちらです↓(後ろに移っている黄色い飛行機は関係ありません)
真横から見たところ↓
まだ全然できてないじゃん……と思ったアナタ!(ヒゲ@いーたちも最初そう思いました)
違うんです。
設計図がない状態で、残された整備マニュアルや当時の他の機体の作りから類推して、
部品を1点1点手作りして進めているらしいのですが、
いくつかあった果てしなくややこしい箇所はクリアし、完成の目処が立ってきたというところ。
割合でいうと完成度8割なんだだそうです。
このパイプを継ぎ足したような「鋼管トラス構造」という胴体↓微妙に角度を変えつつ鋼管がつながれています。
こんなの設計図無しでどうやってやるんでしょうね?
こちらは尾翼↓実機は尾翼だけアルミ合金モノコックだったそうで、主翼は全木製、胴体は鋼管トラス構造とチグハグな作り。
当時の、航空機の開発技術が日進月歩だった時代を感じさせる作りなんだそうです。
こちらは実機と同じ星形9気筒エンジン↓ただ、実機やそれと同等のエンジンがどうやっても手に入らないため、オーストラリアのベンチャー企業が開発した星形エンジンを採用しているとのこと。
このエンジンが実機よりも小型で馬力も小さいため(実機350hp→130hp)、機体のサイズを7/8に縮小しての復元となっています。
こちらコックピット部分↓
当時の軍用機らしくシートがほぼ垂直、リクライニングもなしです↓
左の白いのがスロットルレバーで、真ん中の黒いのが操縦桿です。
こちらは尾翼↓よく見ると鋲のポツポツが見えますが、こちらは当時のように頭の飛び出た鋲を模して敢えて膨らませているとのこと。
工場内には1点もののパーツがズラリ↓
7名のスタッフが製作に当たっています↓
飛行機を作る光景を初めて見ました↓
そして!
この「赤とんぼ」ですが、復元されるのは1機だけではなく、
なんと3機復元されます!
完成は2年と少し先とのことで、
完成後は一度アメリカへ送って審査を通し、その後は日本の空を飛べるようになるそう。
立川の空を3機編隊で飛ぶ予定だとか!
そんな光景、想像するだけで1人飛んじゃいそうです。